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お年寄りが毎日届ける“現代の玉手箱”—“高齢化率日本一の町”の365日配食サービス 山口県東和町
塩田 洋
pp.427-430
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901581
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山口県東南部の瀬戸内海に浮かぶ屋代島の先端に位置する東和町は人口約5800人,高齢化率48%の“日本一高齢化の進む町”。面積38km2のほとんどが傾斜地で,海岸沿いのわずかな平坦地に22の集落が点在する。東和町では平成3年10月から,希望するお年寄りに365日給食サービスが行われている。
この取り組みの発端は,1人暮らしのお年寄りが食事に困っている実態を同町社会福祉協議会のヘルパーが聞き込んできたこと。給食サービスの必要性を検討した社協が,平成2年9月に65歳以上の1人暮らし高齢者765人と80歳以上の老夫婦130人を対象にアンケート調査を実施したところ,1日の食事回数「1食」8人,「2食」68人という実態と,「給食サービスをすぐ利用したい」希望者122人という結果を得たという。そこで,実施のために日本生命財団の助成を受けるとともに,保健医療福祉関係者からなる「老人を支えるまちづくり委員会」を組織して体制を整えた。そして,再度の調査でサービスを希望した34人を対象に,平成3年10月から昼食の365日配食サービスが始まった。当初の自己負担は1食400円であったが,国庫補助事業として国1/2,県1/4,町1/4の補助を受けるようになった平成6年10月から1食300円に値下げし,配食数も80食以上に増加して現在に至っている。
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