特集 母子保健の明日—変わる育児環境と母子への援助
子どもたちの歓声がこだまするまちをめざして—秋田市エンゼルプラン
間 隆一郎
1
,
斎藤 恭子
1
1秋田市福祉保健部
pp.353-359
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901354
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だれのため何のための計画か
1)子どもたちを取り巻くもの
「子は親の鏡」といいます。同じように,子どもの生活の仕方は社会のあり方を反映したものだとみることができます。近ごろの子どもの社会性のなさやいじめを嘆き,ファミコンやプレステに凝って家の外で遊ぼうとしない子どもの姿にため息をつくのであれば,大人はまず自分たちの社会を振り返る必要があります。
子どもたちは実に多くのものを,五感を使って吸収しながら成長していきます。生まれる前はお母さんのおなかの中で栄養を吸収し,音を聞き,場合によってはストレスに影響を受けることもあるでしょう。生まれてからは家族や家の中の光や音に刺激を受けます。外出するようになれば道路や乗り物そして街並みが子どもを迎えます。保育所に入れば保母さんや仲間から学びます。学校に行くようになると先生にほめられたりしかられたり,友達とけんかをしたり一緒に遊んだりしながら成長します。さまざまな人や物との関わりの中で子どもたちは自我を形成し,自分たちの生活を作っていきます。
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