民間精神病院はいま—21世紀への展開・15
こだまホスピタル—精神医療のフィールドを拡げて
樹神 學
1
1医療法人有恒会こだまホスピタル
pp.372-376
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902683
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病院が誕生してからその後の経過はまさにそれぞれの時代を乗り越え,地域の要請に応え,また病院側の考え方を投影し,それらが渾然一体となって病院像を作り上げる.だからどの病院も長い歳月の経過の中で熟成されて,今の姿を現している.
1950〜1960年にかけて創立された精神科病院は,全国ほとんど均質な病院像であったが,時を経てそれぞれが時代のニーズに,地域のニーズに応えて年輪を重ねていくうちに,精神科病院と一口にいっても様々な個性を持った病院へと成長していった.こうなると全国の病院をひとくくりにしてその平均値を出しても,それは個々の病院とかけ離れた虚像に近く,それほど意味のないものとなった.だからこそ本誌のシリーズ「民間精神病院はいま−21世紀への展開」という企画もされたのであろうし,今まで掲載された病院はそれぞれ特有の個性を持ち,これからの力点の置き方が様々で興味深かった.当病院も平均的な病院としてスタートしたが,今となればかなり特徴を持った病院へと変貌してきた.
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