特集 保健所の機能強化を考える
保健所機能強化論
情報収集・分析,情報のシステム化
情報収集・分析,情報のシステム化のめざすもの
藤内 修二
1
1大分県中津保健所
pp.1084-1088
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901287
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はじめに
平成6年12月1日に公示された厚生大臣の基本指針では,保健所の情報処理機能について「所管区域に係る保健・医療・福祉に関する情報を幅広く収集,管理及び分析するとともに,(中略)住民からの相談に総合的に対応できる情報ネットワークを構築すること」と明記されている。こうした指針を待つまでもなく,保健所の情報処理機能の強化の必要性は何度となく指摘されてきた。平成4年度に行われた全国衛生部長会「保健所等情報システム調査研究会」による全国の保健所の保健情報システムについての実態調査1)によれば,表に示すような種々のシステムが運用されている。また,平成3年1月から稼働を始めたWISH(厚生行政総合情報システム)により,全国の保健所が情報ネットワークとして結ばれ,更に,平成5年4月からは,WISH-NETとして電子メールや電子掲示板の機能も強化され,双方向の情報ネットワークとして強化されてきた2)。
しかし,公衆衛生の現場では,必要な情報がないという声がしばしば聞かれ,情報基地としての保健所の役割が果たせているとは思えないのが実状である。また,せっかくのWISHも地域医療計画支援システムが地域保健医療計画の策定時に役に立った程度で,その後は,あまり活用されていないとの声も聞かれている3)。
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