特集 地域に入って学ぶ
帯広高看学院保健婦科の試み
学生の指摘で業務を見直す
香川 紀美子
1
1芽室町
pp.51
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207268
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北海道の中でも寒さの厳しい十勝の厳寒期に,宿泊施設としてはお粗末な所での合宿によるセミナーは,学生はもちろん実年の講師の先生も大変だろうと頭が下がる。資料提供者としての芽室町もそれなりに大変なおもいである。多岐にわたる質問事項に答えてもらうため,他課との調整に心を配り,あまり意味もなさそうな質問にも時間をさかれたり,本当に学生さんに振り回されたというのが本音である。
私の学生時代の教育方法は今とは異なるが,私も指導者を振り回した経験を持っている。保健所実習時,統計が必要になり,資料収集と計算で夜遅くなるのが続いた。2日ぐらいは保健婦さんや事務の人が残って「あなたたちよく頑張るね」と言われ,ますます張り切っていたが,3日目からは私たちだけになった。今考えると学生の熱意が大変な迷惑をかけていたのだと,今でも心苦しく思い出される。また町村実習で,町民へのアンケートを取りたいと申し出たが,指導保健婦さん,なかなか腰をあげてくれず,じれったく感じた。「今の時期は好ましくない」「手紙を出しても返事は期待できないよ」「切手はどうしようか」等々……でも思案のすえ実行された。案の定,返信は少なかった。どんなとりはからいで実現されたか不明だが,保健婦さんの困惑がよくわかる。
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