分科会
健康づくり対策と保健婦の活動
松下 拡
1
1長野県松川町教育委員会
pp.800-807
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206300
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各地のレポート
司会 昭和52年6月の国会で,「10兆円を越える医療費に国が責任を持たないのはなぜか」と質問された時,厚生大臣は「これからの健康づくりについては,自分の健康は自分で守るという方針でいきたい。来年度は総健康づくりでいきたい」という答弁をしました。これを受けて昭和53年度から始まった国の"国民健康づくり対策"は2年を経過しています。
一方,"健康づくり振興財団"を設立して自治体に健康づくり推進協議会を設置し,住民のより身近な場所で対人サービスを提供するために保健センターを設置して,その体制づくりを着実に進めてきています。国民の健康づくりを進めようとする意図は,国民の自助努力,相互扶助,高負担で,医療費の軽減を図ろうとするところにあります。健康増進思想の普及で特徴的なことは,栄養,休養の不適切,運動不足等個人の問題だけを取上げ,生活,労働条件,社会,文化等の生活環境の健全化には全く目を向けないまま,問題解決を図ろうとしていることです。
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