特集 よみがえれ 不死鳥のように
特別レポート
危機にたつ保健所の再生のために—"地域における対人保健サービスの体制整備に関する研究"批判を兼ねて
小栗 史朗
1
,
草野 文嗣
2
,
西 正美
3
,
藤島 弘道
4
,
丸山 創
5
,
山本 繁
6
1名古屋市千種保健所
2磁賀県今津保健所
3石川県小松保健所
4長野県飯田保健所
5大阪府岸和田保健所
6京都府井手保健所
pp.588-603
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206276
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1.はじめに
昨年末,大蔵省は,55年度予算を各省に内示しました。厚生省関係のなかには,老人医療費の受益者負担導入,結核医療費公費負担の保険負担などとともに,保健所に要する経費(保健所費)負担金の地方交付税回しがありました。保健所費負担金は,79年度予算で267億円ですが,その大部分の252億円が職員設置費です。これを地方交付税へ回すことは,保健所職員の削減につながり,保健所の危機を一層深刻なものとするおそれがあります。
この危機感から,日本看護協会保健婦部会,全国保健所長会,全国衛生部長会あるいは日患同盟,自治労また一部の国会議員や政党などの反対運動が行われ,55年度予算については,従来通りとなりました。しかしながら来年度予算については,再協議する旨の大蔵・厚生両省の覚書が交換されており,楽観は全く許せない状況です。
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