発言席
出産状況の改善をめざして
山西 みな子
pp.81
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205945
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助産所で出産しようと思ったが,初産の際に,微弱陣痛,切迫仮死,分娩遷延,点滴等と母子手帳に記されていたことから,また,今度も切迫仮死になる危険性が大きいので病院で生むようにと保健婦からすすめられて来たという。この妊婦は,所要時間6時間で,切迫仮死もなく全く正常分娩であった。結果的には,助産所で分娩してもなんら差し支えなかった。
このようなことはよくありながら,病院の外来では妊婦と医師または看護婦の間によほど特別な間柄がもてないかぎり,「たぶん大丈夫だから助産所に行きなさい」とは言わない。それは,分娩予約者を一人でもよけいに,と思うためではなくて,どの人が,どこで生みたいと思っているのか把握しきれないせいである。出産後に,「実は……」と言われて気の毒でもあり残念でもある。
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