声
仕事と結婚
鈴木 祐恵
1
1金沢市城北病院
pp.641
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205350
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よくとしごろの男女をみかけると,すぐに"あの人どうかしら"と結びつけたがる性分である。先日も職場の独身女性をつかまえて,「あなたのような人にはこの人がピッタリ」どうだと迫った。彼女は,世間一般にいう適齢期をはずれた,いわゆるハイミスの部類にはいるのだが,年に似あわずとてもさっぱりしたかわい子ちゃんである。そして仕事を非常に大切にし,社会的な位置づけを明確にしながら,あらゆることに情熱を傾けるたくましい女性である。若い女性の腰かけ的な仕事の姿勢とはうってかわる。登山が趣味で,酒のほうはけっこういけるほうで,飲むとくだをまくといううわさもある。自分の結婚に関しては,それなりに考えているようだが,どうも自信がないという。
彼女によると,職場で既婚婦人をみていると,仕事に責任をもっていない。既婚婦人は責任ある仕事ができない。職場の同僚がどんなに忙しく働いていても,時間になればすぐ帰り,遅出勤務ができない。出産だ,子供が風邪をひいた,やれ病気だ,保育所が休みだ,家庭の事情うんぬんと,突発的に休むことが多く,いつも独身の身軽な者にその後始末がまわるという。しかも人員ぎりぎりのところでは,1人が休むと同僚にそのしわよせがいき,不満もつのるばかりだという。当の本人は,仕事よりも家庭のことを第一に行動してしまう。
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