Medical Topics
化繊公害について
青山 光子
1
1名古屋市立大学医学部衛生学教室
pp.42-43
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204918
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最近,新しいはだ着を着たらかぶれたとか,おむつを洗ったあと柔軟仕上げ剤を使ったら赤ちゃんがひどいおむつかぶれを起こしたとか,セーターを着たら首すじが赤くなったなどという話をよく聞く。
このような衣料による皮膚障害の原因としては,①原料の糸の太さ,かたさによる機械的刺激 ②材料の性質たとえば吸湿性,通気性の有無や静電気 ③衣料の加工処理剤によるものなどが考えられ,この原因が単独で皮膚障害が発生する場合と,これらのうち2つまたは3つが重なって発生する場合とがあると考えられる。なかでも衣料加工処理剤は化学繊維の進歩につれていちじるしく増加したものであるが,使用される薬剤のなかには,かぶれの原因になると思われるものも多く,いろいろの問題をもっている。そこで衣料による皮膚障害の問題の1つとして衣料加工処理剤を中心にとり上げてみよう。
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