特集 産業医
産業医と公害
三浦 豊彦
1
1労働科学研究所
pp.222-226
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204827
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産業医というもの
産業医問題については,日本産業衛生学会が,すでに10年以上も前から討議してきたところであるが,産業医の定義という点ではかなり人によって考え方に相違がある.たとえば労働衛生に関連のある研究者まで産業医にふくめる意見もある.しかし一般的には事業所で労働衛生管理,健康管理を行なう専門家としての医師や,事業所の診療所や病院で,従業員の健康管理や実際診療を行なう医師を産業医とよぶのが普通である.
ILOでは1959年に雇用の場における労働衛生業務に関する勧告112号を採択している.この勧告では労働衛生業務に従事する医師が,完全な職業的ならびに倫理的独立を亨有すべきであるという基本的原則を,きめている.またこの勧告では病気欠勤の正当性を検証することを産業医の業務から除外している.その上産業医学の本質的に予防的な性質を強調しているものでもあった.
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