仕事と人生
佳代ちゃんへの日記
江頭 身知子
1
1国会図書館
pp.9
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204621
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「昭和44年2月23日,おなかの中でピクリと動いたあなた,それまで半信半疑であったママを驚かせ,あなたの存在を自覚させたその日からママは強くならなければならなかった。あなたが女に生まれたことを後悔しないように。そして仕事をもつことにほこりを感じるようにあなたを育てなければとママは考えました。」そんな出だしでかかれた子供への日記を私は毎日かきつづけている。仕事を持ちながら子を育てた母,母が働いていることの意義を理解してもらえるようにとつづった私の生活日誌でもある。
その日から夫婦2人で住んでいた1万5千円で2間のアパートは子供が生まれるとだされるために家さがしが始まったが子供を預かってくれるところもと2条件をかねたところはとてもむずかしいことであった。幸い姉が自分も経験者であったところから子供をみてくれると言ってくれたので,北多摩へ都落ちしてもとアパート捜しに歩いたが,木造で1,000〜20,00円まし,みつからないままにウロウロ,大きなオナカをかかえて産休までそんな状態がつづいたある日,姉の説得で実家の母が1年間だけなら子供をみようと言ってくれた。雨の日に母へ望みをたくして引っ越していった。
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