実態をさぐる
労働災害の現況
pp.62-63
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204451
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斜陽エネルギー産業とよばれている石炭鉱山で,しばしばくりかえされる落盤事故は,ともすれば不幸な結果をまねく。そればかりでなく,一般の労働災害についても,地味な事件だけに余り喧伝されないが,同様な結果をまねきやすいのである。
労働災害,といっても労働省で計上されるのは「労働者災害補償保険法」による補償請求の数でしかない。かって,アメリカの安全工学者ハインリッヒが,死亡者が一人でるときは,それの300倍に相当する,かくれた事故(未然事故)がある,と説いたように,ほんのカスリ傷程度のものまで加えると,災害実数は60万人(年間)を上廻るといわれている。
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