特集 保健婦の臨床研修
山形県における臨床実習—経過と問題点
結城 エク
1
1山形県看護係
pp.36-38
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203977
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I.臨床実習を始めるに当って考えられたこと
山形県における保健婦の歴史は古く,養成も国における制度の制定以前の昭和14年から始められ市町村における保健婦の設置も社会事業協会から市町村国民健康保険の普及にしたがって急速に進められ,その数も現在においては310名を数え,保健所保健婦56名に対し,その比率は5.5人対1人というように他県と比較したとき反対の実情にあることはいなめない現状である。
そのような状況にあって市町村国民健康保険保健婦業務と保健所保健婦業務の実をあげ相互提携をいかに進展させ,それぞれの役割をいかに円滑に推進させるかが考えるべき大きな問題であった。さらに市町村合併により市町村および地域の要請は,保健婦の活動に異なったものを求められ,いきおい保健婦のあり方を県においても市町村においても考慮しなければならない状況になった。そこで先に保健婦雑誌(第23巻第1号)に述べたように保健婦事業の充実強化をはかるため「市町村保健婦事業運営要領」を設定し,各市町村長に依頼したのである。この通牒によって市町村保健婦の組織の強化が図られ,おいおい係長または婦長制が実現し,指導の一元化と業務の統一が望まれるまでになった。
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