読者からの手紙
明美ちゃんのこと
足立 美代子
1
1島根県八束郡東出雲町役場
pp.11
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203944
- 有料閲覧
- 文献概要
明美ちゃんが生れたのは昨年の3月,私が赴任してから約2ヵ月目であった。母親は初産であったが妊娠腎のために帝王切開をされ「体重は2500グラムにみたない未熟児であった。赤ちゃんの元気も良かったので保育器に入れられず,母親が回復すると退院した。
それから2〜3日して祖母からなかなか育てることができないから乳児院にあずけてほしいと申し出た。以前この祖母の長男は7回結婚しているが全部離婚している。特別に長男に欠点があってのことではなく,あまりおとなしいので祖母の言いなりになっていたので,結婚も離婚もこの祖母の手でなされたと聞いていた。それが7番目の妻に女子があり出産と同時に離婚をさせられ,後に残された女の子は乳児院にあずけられ,今年3歳になるのにそのまま放置状態で,いっこうにひきとろうとしない。こんな前例があるのでまた乳児院へあずかってもらおうとする祖母に対して,子のために親が育てることの重要性や,施設にあずかってもらう理由が全然該当しないことを説明し,納得させた。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.