特集 つゆと保健指導
つゆと更年期
唐沢 陽介
1
1三楽病院産婦人科
pp.21-24
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203663
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更年期とは
女性の一生をその機能の面からみると,幼児期—小児期—思春期—性成熟期—更年期—老年期と分類することができる.この中で,具体的にみて最も大きな変化を示すのは,いうまでもなく思春期と老年期とである.そしてその変動の主役をなすものが卵巣機能であることも多言を要しない.
卵巣は,小児期の後期より徐々に機能を開始し,思春期にいたって不安定ながらほぼ正常に近いはたらきを示すようになる.性成熟期は,女性としてのはなばなしい機能が具体的にも精神的にも発揮されて妊娠,分娩,育児というもっともたいせつな仕事を遂行するが,やがては更年期へ移行していく.この時期は,思春期が小児期から性成熟期への橋渡しをするのと同様に,性成熟期から老年期への橋渡しをおこなうわけである.すなわち,卵巣機能はときには急速に,ときにはゆるやかに力を減じて,やがてはまったくはたらかない状態にいたるのだが,その時間の長短は個体差が大きく,個人個人によってまちまちである.
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