特集 現代の保健婦
なぜ私たちはゆれ動く
船橋 恵子
1
1大阪市吹田保健所
pp.18-19
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203075
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保助看法の改正と保健婦
「現代保健婦論」…と,題名をみただけで,たまげてしまった.題名にふさわしい内容になるかどうか,日ごろ考えていることを思うままにつづることにした.就職して8年あまり,いったい自分は地区の人たちの要求に応じた働きをしてきただろうかと考えさせられる.地区の要求っていったいほんとうは,何だろうか? また,保健婦の業務量が年々多くなってきているが,ほんとうの保健婦業務って何だろうか? 業務量がふえるのに人員が増加しないのはなぜだろう? 職業に魅力を失い別の職場を求めてやめてゆくのはなぜだろうか? などと,かぎりない疑問がわいてくる.
昨年,公衆衛生院で“今後の保健婦はどうあるべきか”というテーマで,保健婦の専門化の必要性と,教育問題に重点をおいて討議をした.私たちが考えた保健婦の専門化は,厚生省で考えられているそれとちがって,個々の保健婦が現在の基礎教育にプラス,たとえば,結核,母子,成人病など,おのおのについて専門的な教育をなし,そのものが一定場所にとどまって他の保健婦を指導するという形のものではなく,現地で活動する個々の保健婦が専門保健婦であることの必要性をのべた.また,教育の問題は,現在もずいぶん問題になっているが,何でも屋的な,どの部門にでも適用できるような教育ではなく,専門化されるのが業務の確立がなされるのではないか……と.
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