私たちをささえるもの
私の仕事をささえてきたもの—読書と訪問のなかから
小原 かつ子
1
1岡山県勝田郡勝央町役場
pp.19-23
発行日 1963年1月10日
Published Date 1963/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
読書は生活の中の大きなウエイト
今私に向つて誰かが「あなたのお仕事をささえているものの内一番ウエイトの大きいものを一つだけいつてみて下さい」といわれたら,私はすぐに「そうですね,私の場合は何といつても世界の文学とその作品の中を流れる自由で豊かな思想でしよう」とおこたえします.
何故なら,露ほども女らしくない,自分でも時々いや気がするほど粗野な性格の私が,もしも読書がきらいで,西鶴もモームもドストエーフスキイもほとんどエンナシというのだつたら,一体自分の毎日はどういうことになつたであろうかと思います.ちよつと考えてみただけでも,それは救いがたい姿であろうと思います.スクーターにのつてはねまわる動物の様子を想像しても大してまちがつていないでしよう.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.