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ソ連の保健施設—個性を生かす「子供の家」
pp.48
発行日 1962年11月10日
Published Date 1962/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202695
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先日,ある青年医師の訪ソの報告をうかがう機会を得ました.ソビエトは,女子が医療労働者特に医師に多いとか,さすがに働くものの国労働者の保健施設がすばらしいとか,子供がとても大事にされていることなど多くの楽しいお話しでした.結びの言葉は「ただあたり前のことがあたりまえに行なわれている国です」と.ソビエトと言えどもまだまだ発展途上の国であり,その新しいものと古いもの,進んだものと遅れたものが,相方存在している.ただその中で,国全体が「新しいもの」へ「すすんだもの」へかわりつつあるということ.私たちも偏見でなくこうした目で新しい国を見つめたいものです.
きれいなスライドの1コマに「子供の家」が出てきました.それは子供の情操教育,人間教育に細心の神経が行きとどいている施設です.ある地域を区ぎり,その中に,いくつもの「子供の家」が建ち並び,すべて「子供」だけで,自主的に運営されている.その地域に入るためには,子供による検閲をうけ,パスがなければ入れないという,まつたく子供だけの世界がつくられています.これには各民族の子供たちが,それぞれ,その民族をあらわした服装をしてあつまります.そして「子供の家」のそれぞれの建物の色が違い,ベットのシーツの模様もすべて違う.カベ,食堂のイス,テーブルが,すべて子供らの教育的観点からなされ,画一的な育て方でなく,それぞれの子供の意志と素質と個性を生かした人間教育のすばらしさを見せられました.
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