海外だより
ソ連の整形外科を覗いて
伊藤 忠厚
1
1日本医科大学整形外科
pp.868-870
発行日 1966年11月25日
Published Date 1966/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903838
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英米をはじめ,西欧諸国の整形外科の状況は比較的よく紹介され,また,文献でも読まれているので一般に知られているが,ソ連を中心とした共産圏諸国の状況はほとんど知られていないようである.私は1959年に米国留学の帰途に訪ソを計画したが,当時の国際情勢からは難しく途中で断念したので残念に思つていた.たまたま本年4月ニューヨークで,コロンビヤ大学整形外科開設100年祭が催され,また,5月には日米整形外科合同会議が米国の西部で行なわれ,これに出席することになった私は,その間を縫つてソ連を訪れることにした.したがつて言わばソ連を覗き歩いて来たに過ぎないが,それでも今まで触れたことのない多くのものに触れた感が強い.
医学の方面は別としても,聞くと見るとの相違を痛感した事が多かつた.ソ連の状況は時々刻々と変つて行くと言われており,昨日のソ連と今日のソ連とは違うのだと極言する人もある位であるから,そのためであるかも知れない.
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