コンタクトレンズ(30)
人間—この複雑なるもの
長谷川 泉
pp.79
発行日 1961年11月10日
Published Date 1961/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202449
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箱根で開かれたトップ・マネージメントの講座に参加していろいろのことを考えさせられた.1週間の集中講義で9時から夜の8時半までの休みなしだが,質問が集中すると夜は9時過ぎになることもあつた.編集会議で夜おそいことにはなれつこになつているとはいつても,きちんと腰かけて講師の講義を聞くという習慣は,学校生活を遠ざかつてからたえてなかつたことである.1時間や2時間の講演を聞くことはあつても,スケジュールに従つて終日つめて講義を聞くことはなかつた.学生生活がよみがえつたわけである.もつとも,大学時代には,ほとんど学校へは出なかつたから,高等学校生活のよみがえりと言つてもよい.誤解されると困るから,ことわつておくが,大学時代は,学校へはほとんど出なかつたが,なまけ学生であつたかというと,そうではないとうぬぼれている.なぜならば,学校へは出なかつたが,規定の単位は,きめられているものの倍ぐらいはとつたからである.
人間である以上は,どのようにものを考え,どのように人生を処理してゆくかということは,最も重要な課題である.意識すると,しないとにかかわらず,人はおのおのの職業や仕事にしたがつて,そのことを考え,そのように処理している.経営や管理についても,そのような理論とその理論に基づく処理の方法がある.
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