講座
再發の防止
坂元 正德
1
1国立療養所
pp.14-18
発行日 1953年12月10日
Published Date 1953/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200643
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結核症について
感染と発病結核症は結核菌の体内侵入によつて起る伝染病であり,その経過は急性の場合もあるが,多くは慢性に経過する.又生体は伝染病々原菌に侵されると多少ともこれに反応することはあつても,すべてが発病するものではなく,結核の場合にも感染した者からの発病率は急性伝染病の場合に比較して低率である.かつ感染者より発病する條件も種々あつてむつかしい.結核豫防会第一健康相談所の調査によれば昭和23年,東京都内一部学生,生徒の集団檢診に当つて感染者の1.78%が罹病しているのを発見し,或事業場では3.7〜9.1%の罹病率を示しているのを知つた.このように結核症の感染と発病とは明確に区別されるべきであり,発病についての條件は詳に檢討せられねばならない.
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