随筆
きもの
大塚 末子
1
1たくみ工藝
pp.46-47
発行日 1953年9月10日
Published Date 1953/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200596
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きものになれるということ
近頃目だつて和服姿が目につく.日本人であつて自分の国の服裝をすることがちつとも珍らしいことではないのだけれど,近頃欧米文化のおかげでみんなの服裝が著しく洋風化した今日,和服姿が目につくという現象はなんだかたのもしい気がする.
女にとつて一番関心の深いもの,魅力的なものは「きもの」でしよう.今の世の中には和服で通す人,洋服で通す人,どつちも着る人という3つの層があると思うのです.もう殆ど和服一点張りというのは年代的に見ても中年以上の人で,洋裝で通す人は洋風の生活をしていらつしやる人であるだろうし,たまには和服も着る,洋服も着るという両方を自分の生活着としている人があると思います.
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