バリント方式による患者理解・6
水面下の治療—胸心痛のコントロール
永田 勝太郎
1
1北九州市立小倉病院内科
pp.701-704
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922985
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自分で気づき始めたS夫人
前回のS夫人(58歳)の胸心痛について,その問題点をPEGに整理してみましょう(表).
S夫人の胸痛,特に早朝未明時の胸痛が,安静時狭心症なのかどうかという点がいちばん大きなポイントです.何度もホルター心電計を用いて24時間,心電図をチェックしても,安静時にSTの変化は出てきません.労作性狭心症(運動により狭心症を起こす)は,確かにありますが,これは薬剤により比較的よくコントロールされており,発作のために苦しむことはありません.
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