やさしい心電図のみかた・4
異常調律 1—P波とPR間隔
高階 經和
1,2,3
1神戸大学
2高階クリニック
3淀川キリスト教病院
pp.409-412
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922607
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1.P波とは何を現しているのでしようか
もう答えはお分かりですね.心房の興奮過程を現しています.心電図用語では心房の脱分極過程ということになります(第2回“臨床的意義と正常心電図”参照).まず洞結節から刺激が始まります.そして,この電気的刺激は右心房内にある3本の心房内伝導線維を通って下方に進んでいくわけですね.その中の1本は更に枝分かれして左心房に入ります.そのためP波はよく注意して見ると,正常のスムーズな形のP波に比べて右心房肥大では,P波は波高が高く,しかも先がとがっていますね.そして左房肥大では,P波の波型は‘ラクダ’の背中のコブのように2つの山からできていて,しかもP波の幅が広くなっていることにお気付きだと思います(図1参照).
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