グラフ
動き出した「老人保施設」—モデル施設第1号兵庫県・中町赤十字病院老人保健施設を訪ねて
本誌
pp.952-955
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921820
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老人医療との関連で,いわゆる中間施設の構想が論議されてきたことは記憶に新しい.昨年12月に老人保健法が改正され,この中間施設は「老人保健施設」という名称で正式な“認知”を受けた.来年度には全国80か所に「老人保健施設」を設置することが予定されている.これに先駆けて,今年は全国7か所にそのモデル施設が指定され,トップを切って4月に開設されたのが中町赤十字病院老人保健施設(志賀周郎院長・施設長)である.
モデル施設として選ばれた7施設にはそれぞれ特徴があり(資料1),中町赤十字病院老人保健施設は短期リハビリテーションを目的とした,病棟転換型の施設ということになる.「老人保健施設」は病院と家庭とをつなぐ“通過施設”として位置づけられており,中町赤十字病院老人保健施設ではその趣旨にそって,一応3か月をめどにしてどれだけの効果が上げられるかを評価することにした.入所者は,リハビリテーションによる回復がある程度見込める人で,①病院での急性期の治療が終了した人,②在宅では十分な訓練が行なえない人を主な対象としている.退所後に世話をする人がいなかったり,寝たきり老人,痴呆老人などは,これらの目的からはずれるため,入所の適応にはならない.入所希望者にとってはなかなかに厳しい“狭き門”である.疾患別では脳血管障害が6割を占め,骨折,パーキンソン,リウマチ,脳性麻痺などがこれに続いている.
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