折々の花 いとしき糖尿病教室の患者たち・7
花のある男性[2]
佐々木 一枝
1
1横浜中央病院糖尿病センター
pp.1193
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920911
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男性は女性に比べて寡黙である.寡黙でいて,しかもその人がいるだけで安らぎがあり,患者教育の潤滑油となる.会話でその場を明るくすることは比較的容易だけれど,黙ってそこにいるだけで,みんながその人の存在を振り仰ぐというのは,すばらしいの一語に尽きる.……そんな男性を紹介したい.
E氏は大企業電気メーカーの部長さんで,九州生まれの48歳.3年前からのお付き合いである.40代で部長になるくらいだから,かなりのきれ者に違いないが,糖尿病教室の生徒として振る舞い,社会人としてのエリート的な部分はみじんもみせない.それに九州男児の牧歌的な雰囲気が,その人柄をさらに親しみやすくしているように思う.‘40になったら,人は,自分の顔に責任を持て’リンカーンの名言がピタリとする味のある顔である.
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