看護に生かす交流分析・13
再決断への道
白井 幸子
1
1国立療養所多磨全生園
pp.701-704
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919586
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これまで12回にわたり,交流分析の基本理論を紹介してきたが,読者の皆さんは,交流分析が対人関係をはじめとする様々な問題の解決にあたり,ほかの人々の行動の変化や状況の変化を期待していないことにお気づきになったであろうか.
交流分析においては,‘あの人さえ変わってくれたら,私は幸せになるのに’とか,‘過去にあんなことさえ起こらなかったら,私は今こんなみじめな人生を送ってはいないだろう’というような,他力本願的な生き方や自分の不幸の原因を他人に責任転嫁するような生き方を敗者の生き方として退ける.つまり交流分析の基本には,‘他人と自分の過去は変えられない’という考え方がある.
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