プロフィル
〈小川トメヨ〉リハセンターの外来で医療相談にあたる—「障害児看護は医療技術のみでなく総合的ケアが必要ですね」
吉
pp.585
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919560
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看護学校を卒業し臨床に出てからも、「現実の患者さんへは看護の学びだけでは十分対応できないと思って」障害と福祉の問題を学ぶべく社会福祉事業短大に進んだ。卒業してからも、情緒障害児や肢体不自由児の看護に携わり現在に至っているが、障害者への目が開かれたのは看護学生の時だった。
精神科の実習を都立松沢病院で受けたが、当時は精神病院には精神遅滞者も入院し、ていた。実習も終わろうとしていたある日、その中の最重度の何も分からないだろうと思われていた人が、別れ際に体で別れを惜しむ表現をしてくれた。「その瞬間、人間はやはり心なんだなあと思わされました。障害を持った人でも、真心で接したら真心で返してくれる。こういう純粋な人に自分の心をぶつけ、思う存分ケアをしたら何か反応があるんじゃないか、結果が出るんじゃないかと思いましたね。それからでしようか、障害を持った人への興味が生まれたのは」
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