プロフィル
—原安江—日本の心を求めちぎり絵に出会う—「和紙のぬくみ,繊維のもつ丸みをちぎり絵で表したい」
吉
pp.769
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919007
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千数百年の歴史の中に生き続ける古都奈良。大仏殿で有名な東大寺が建てられたのは八世紀の昔。その東大寺の付属肢体不自由児施設の婦長として強く請われて二年前に赴任した。それまでに多くの地で勤務した経験があるが,まるで奈良で生まれ育ち,ずっとこの地で仕事をしてきたかのように,その振る舞いは古都に溶け込んでいる。
生まれは出雲の国。幼いころから病弱で伏すことが多かったが、寝ている枕元にはいつも肝風が立てまわしてあった。その屏風は大観や玉堂の絵であったり,俳句や短歌などであったりで、それらを目にしながら育った。伏せっていると,母親は看病しながら有名な俳句などをよく読んでくれた。
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