看護サロン ホームヘルパー跳びある記・2
駆け足のヨーロッパ研修 2
松田 万知代
1
1藤沢市役所‘老人生きがい課’
pp.668-671
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918428
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ヘルシンキ
10月5日,森と湖の国,フィンランド.民族としては古いが国家としては新しい国.東の国境はソ連に接し,過去に苦しい歴史を経験した国.1年の半分が冬であり,デンマーク,スエーデンにつぐ社会主義国家でもあります.北欧5か国が高い水準の社会保障制度を築き,これらの国民がそのサービスを相互に受ける協定を結んでいます.合理的で勤勉な民族—書物で知り得たこれらの知識にたがわず,かつての帝政ロシアからの独立戦線で活躍したマンネルヘイム将軍は,いまだに銅像となって東のソ連をにらんでいました.国防費が政府予算に占める割合が大きいといわれ,都市における原爆坑が義務付けられている点をみても,国家情勢の厳しさがうかがえるのです.
5%の失業率,女性の67%が労働者で,収人の50-60%が税金であるという.そのために若い人たちが勤労意欲を失いつつある現象は,ヨーロッパ諸国のかかえている最大の社会現象といえるのですが,婦人労働者が多いことと,老齢人口の増加や経済的理由などで,ここ10年間出生率が落ちてきたそうですが,国家的姿勢で社会保障制度に取り組み,それを発展させるために民間団体が政治・行政に圧力をかける必要性を,行政自体が認めていることはたいへんすばらしいと思えました.
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