やさしいX線写真の読み方・5
胸部写真(3)
平松 慶博
1
1東京女子医科大学放射線科
pp.533-536
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918397
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正常でも見られる肺野の細かな陰影は肺紋理と呼ばれるが,これを詳しく分けると血管陰影,気管支陰影,さらにリンパ管などのその他の間質性陰影に分けられる.したがって,単に肺紋理が増強しているとか減弱しているとかという表現は正確ではない.血管が怒張しているとか,気管支壁の肥厚があるという方が,より正確である.気管支壁の肥厚は,慢性気管支炎とか気管支喘息の患者において目立つ.
血管陰影は,動脈と静脈に区別できる.その区別は,血管の走行をよく見ると分かる.つまり,肺動脈は肺門から末梢へ向かうが,肺静脈は肺野から集まって左心房に入るため,肺門よりも少し低い位置に集まる.
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