やさしいX線写真の読み方・3
胸部写真(1)
平松 慶博
1
1東京女子医科大学放射線科
pp.309-312
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918352
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1.撮影の体位
X線写真を読影するには,まずその写真がどのような体位で撮影されたかを知る必要がある.胸部の標準写真は立位である.しかし乳児や全身状態の悪い患者では臥位で撮ることもある.例えばポータブルでの撮影では,一般に背臥位で撮られることが多い.
立位の場合は,X線は後面から前面に向けて通過する.つまりposteroanterior方向で,これを略してP-Aという.この際,手首は腰にあてて,肩甲骨を肺野からはずして投影させるようにする(写真1).臥位の写真は一般に背臥位で撮影され,この場合はX線の方向は前面から後面へ向かう.これをantero-posterior,略してA-P方向という(写真2).
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