ルポ・アメリカ合衆国のナース その生活と意見・4
給料
江元 セツ
pp.434-436
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918378
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アパート住まいのナースにクルマは必需品
主任になりたての26歳のケリーが,トライアンフの新車のスポーツカーを買ったので,週末の仕事の帰りに,その車で送ってもらった.4月初めのバージニアは,暖かくなったとはいえ,風はまだまだ冷たい.せっかくのオープンカーなのだからと,屋根をあけて走ったのが悪かった.翌日,彼女はさっそく風邪をひき込んでしまった.彼女の住むアパートは,病院から車で30分,林の中の木立ちに囲まれた新しいアパートである.2寝室とリビングルーム,台所.すてきなバスルーム,目下,ルームメイトを捜しているところであった.
アメリカの病院は,日本の病院と違って,ナース用の寮はない所がほとんどといっていいだろう.だから,ナースたちはみんなアパート住まいである.ナースはどこの病院も3交代制の勤務であるから,バスは夜中は走らないし,タクシーは高くつくとなると,車はナースたちにとって足と同じ,必需品である.その足代は,ガソリン代はもちろん,駐車料金も,いっさい支給されていない.もちろん住宅手当などもゼロである.毎日着替えてくるユニホーム,靴下,靴の支給も貸与制などない.クリーニングも自分でしなくてはならない.ユニホームだって,1着20ドル前後(約4000-5000円)となると,ばかにはできない額である
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