切り取りカード 看護ミニ事典
自律訓練法(autogenes Training)/ライフサイエンス(life science)
内海 滉
1
1千葉大学・教育学部看護教員養成課程
pp.757-758
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918202
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自律訓練法は心因性の疾患に限らず,多くの各種の疾患を有する患者の心理的・生理的側面に有効に働いて,治療の姿勢を整える心身医学的治療法の1つである.そこには催眠術などに伴いやすいあやしげなムードはなく,禅・ヨーガ・超越的瞑想法などにつきまとう宗教的雰囲気もない。心理療法の中では精神生理学的な,基礎の極めて整った理論的実践の術式である.
シュルツ(Schultz)によれば,生体には,心身のアンバランスな状態から,生体が本来有するホメオスターシス機能のはたらく状態に移行する自律的な傾向があり,彼はこれを自律性状態(autogenic state)と名付けているが,これは生体機能全般的変容あるいは有機的な身体—精神的変容(organische leib-seelische Umscbaltung)により得られることを主張し,公式化された語句を反復・暗誦しながら,その語句の内容に関連した身体の部位に思いをいたすことによって,生体機能を変換する方法を確立した.
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