特集 カレン裁判—‘尊厳ある死’と看護
ジレンマをどう調整する?—‘生’と‘死’の選択—欧米の動き(1)
宮野 晴雄
1
1読売新聞
pp.816-824
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917946
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1.それはハプニング的であった
医療担当者の多くの人々にとって,カレン裁判は奇異なものとして受け取られたはずである.この種の問題は,法廷に持ち込まれるべきでないとの意見が,非医師の間からさえ出された.
それは医学的判断の事柄に属している,とどの国の医師たちもいうであろう.‘1つ1つがみな異なる状況・条件下でのとりわけデリケートな判断は,医師と患者,家族との関係に基づく高度にパーソナルなものであって,インパーソナルな血の通わない法のもとでの裁きにゆだねると,医療に由々しい悪影響をもたらす’との主張である.
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