特集 問われる医療過誤・2—千葉大採血事件公判記録
公判記録より
第3回公判—昭和45年12月24日
pp.22
発行日 1971年8月1日
Published Date 1971/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917753
- 有料閲覧
- 文献概要
この日,多田看護婦は,再び白衣姿で被告席に立った。
被告,看護婦とは何か!彼女はいみじくも述べた。「かわいそうだ,本当に気の毒だ」という同情と励ましのなかで,2度と事故を起こすまいと誓い,悲しみにうちひしがれて,ひっそりと生きることは,自分にとって,最もやさしいことであったと,周囲もまた,そのような彼女を最も好意的に受け入れようとしたにもかかわらず,あえてそうした看護婦像をかなぐり捨てたのは,いったいなぜか!
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.