看護文芸
詩
長谷川 泉
,
村形 喜久子
,
小林 秀子
,
和田 ヒロコ
,
遠山 花代子
,
中島 恵美子
,
床津 早苗
pp.133-136
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917578
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許してくれ ユスリカわたしは今日おまえたち数匹を殺したらせん染色体のプレパラートを作るために器に入れられうじゃうじゃとうごめいている中からおまえたちはつまみあげられた生命を長らえても所詮害虫としていやがられるおまえたちだが
ユスリカよ許してくれわたしは一枚のプレパラートも完成することができなかったスライドグラスの上でカミソリと解剖用柄付針を持って指示された通りにおまえたちをちぎった赤い血をしていたね器からつまみあげられる時生命の危機を察知したかのようにおまえたちは細く小さい体をくねらせてのがれようともがいたねだが狭い器の中かつ器用な人間の手の下では無駄なあがきにすぎなかった
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