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制度改正案をめぐる看護協会の顔—昭和45年度日本看護協会通常総会
早川 ミツオ
,
本誌編集室
pp.65-69
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917525
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第3日目,幕切れ近く制度案に対する協会の態度決定審議となっだ。すでに2日間もみにもんだ,本部提案の“条件つき反対”か保健婦部会決議に典型的にみる“絶対反対”か。代議員の顔も緊張の度を増す。第1日,会場入口で手渡された組合関係のビラの文句も浮かんでくる,共に廃案へ追いこもうという。場内注視のうち,議長団による挙手採決は始まった。石本会長に伺ったところによると,本部はこれを無記名投票にしてはと考えたそうだ。会長は断乎はねつけた。“自己の意志決定を会員の前に出せないような代議員はいないはずだ”と。やはり会員構成の複雑さから微妙な問題をはらむ賛否であったようだ。そして数読みがはじまった。一瞬かたずをのむ人たち。しかし一般席からは,とくに2階,3階席からは歴然と提案賛成が多数とわかった。“条件つき反対はつまり賛成だ”行政当事者たちの言葉は生きたのか。だが,5月13日,国会は閉じられ,問題多いこの案は流産した。
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