日本看護婦物語・その3
日本の近代看護創生期の人びと・2
高橋 政子
,
土曜会
,
歴史部会
pp.89-93
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917497
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金子なお
金子なおは,初め平野藤に面接を頼んだところ,家族の人から,藤はあまりにも老令で,不確かなことが多いから,幸い近くの鵠沼にある東京養老院に,同じ慈恵出身者で,しっかりした人がいるからと紹介されて,昨年の3月初めて面接した人である。
平野と違って,その職歴は長く,結婚もしないで一生看護の道を歩みつづけて,92歳の今日でもなおかくしゃくとして,誰の手も借りないばかりか,道を歩くにも,少し前屈みにはなるけれど,杖も使わず,その足早なこと驚くばかりである。
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