麻酔の知識・3
吸入麻酔(その1)
沼田 克雄
1
1東京大学医学部麻酔科
pp.62-63
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917489
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全身麻酔と人工呼吸は,きってもきれない関係にある。だから,このへんでまず,人工呼吸のことにふれておかないと話をすすめにくい。
人工呼吸の方法はいろいろあるが,まず大きく二つに分けられる。その一つは.胸廓外から圧力変化を与えて胸廓を受動的に動かし,それにより,酸素やその他のガスを肺胞へ流入,あるいは肺胞から流出させる方法である。古典的な,シルベスター法,ニールセン法などという用手人工呼吸はこれである。また,鉄の肺のように,タンクの中に患者の体を入れ,タンク内の圧力を変えて,それが患者の胸廓に力を及ぼすように作られた人工呼吸器もこの方式である(図1)。これを今,仮に胸廓外加圧方式と名づけておこう。
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