看護□人間工学
看護と人間工学
倉田 正一
1
1慶応義塾大学病院管理学
pp.78-79
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917425
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○「もの」を使う主人は人間
私たちは毎日おびただしい種類の機械や器具を使って仕事をしている。われわれが使う「もの」の中には洋服や靴や眼鏡,鉛筆,机や椅子なども含まれる。裸でいられるのは生れた時と風呂場の中ぐらいであろう。そこで,人間が生活の知恵から生み出した「もの」を便利に活用しなくては文明の恩恵に浴しているとはいえない。実際はどうであろうか。われわれは機械文明をよろこび,ありがたがっているが,機械や器具その他いろいろの「もの」の使用によって疲労し,災害事故をおこし,苦しんでいるとしたら手放しでよろこんでばかりもいられないであろう。私たちは「もの」を使う主人であって「もの」が私たちの主人ではないはずである。
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