M.S.W.の目
子どもに見すてられた淋しい老婆
中島 さつき
pp.64
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914808
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総合病院整形外科の外来にきた沢野せいさんは74歳で,リウマチス性多発性関節炎と診断された。担当医師から,できれば入院させたいが,費用もかかることだし家庭の事情がありそうだから聞いてほしいと依頼をうけた。
MSWが会ってみると,品のよいおばあさんで,まず「私のような年寄りは治療をしていただかなくてもよろしゅうございます」と言っている。今までずっと小学校の先生宅に留守番として住み込んでいたが,2か月前から手足が痛くなり,動かさないと固まってしまうと主人から言われた,それでも働いていたが,とても痛くてがまんできなくなった,主人からの通知で次女の夫が迎えにきて,ここへきて10日もたつ,病院も近いのにつれて行ってくれそうにもない,今日思いきって痛い足をひきずってやっと一人できたとのことだった。
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