特別寄稿
看護婦の主体制
松村 あけみ
pp.80-86
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914780
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さきに,「看護学雑誌」誌上で「ある保健婦の死」をめぐるレポート(5月号)と,これに潜む問題の討議(8月号)が掲載された。掲載記事を読み,そこに現在の看護婦の意識および看護教育のうえにおいて,見落とすことのできない広く共通の問題があることに気づいたので,ここにとりあげてみたい。
事例は,「問題をずっと突きつめていけば,ドクターの診断の遅延にあったり,いろいろあるけれども,ふしぎに患者は,ドクターに対してはあまり心情的な不満を訴えなかったということ,そして,直接,接した看護婦さんに心情的な不満を非常に強くもっていた」ということで,患者と看護婦の意志の疎通が云々された。確かに意志疎通の問題もあるであろうが,それは現象として起こった問題で,看護上の本質的な問題ではない。
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