M.S.W.の目
落葉のような乳児院のこどもたち
中島 さつき
pp.64
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914776
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冷たい木枯しが吹き始め師走に入るときまって捨子が多くなる。乳児院のこどもたちは,ちょうど吹きよせられた落葉のように集ってきた哀れな生命といえよう。
○松本英雄(推定生後3か月)44年5月○日午後8時30分頃,国鉄上野駅待合室で一見23〜24歳くらいの洋装の婦人が,「ちょっと便所に行ってくる間見ていてください.と旅行客に預けたまま戻って来なかった。この児を預けられた老婦人は北海道に帰えるところであった。駅員から警察署へ,そして児童相談所に連絡され,児童福祉司から乳児院に紹介された。紙製のさげ袋(趣味の高級洋品店製)の中にはガーゼ,じゅばん3,哺乳びん1,粉ミルク1鑵,よだれかけ1,おむつ8,ハンカチーフ4枚が入っていた。
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