薬のはなし・9
比較試験
佐久間 昭
1
1東京医科歯科大学
pp.66-67
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914238
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雨乞い3タ試験
薬の効果を論じた報文は非常に多いが,しばしばみうけられるものは,“雨乞い3タ試験”である。おそらく,これでは何のことかわからないので,解説を要する。
日照り続きに困った人々が,氏神様の境内に集まり,雨乞いの太鼓をたたく。彼らはとにかく,雨が降るまで,太鼓をたたき続ける。太鼓が空気を振動させ,これが雨の核をつくり……と,もっともらしい解釈もあるが,とにかく,雨が降れば,雨乞いの祈りは終わる。そして,人々の心のなかには,“雨乞いの太鼓をたたいたので”雨が降ったのだという因果関係がうえつけられる。
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