連載 新・ナイチンゲール伝・21
誤解されてきたその思想と人間
吉岡 修一郎
1
1久留米大学
pp.54-55
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913805
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44.世紀の大スター
インド関係の仕事をしていたころらしいですが,ナイチンゲールはサウス・ストリートの小さい家に引っこすことにしました。それは,ずいぶんチュウチョした上でのことでしたが,とうとうその家の二階に,死ぬまで落ちつくことになります。90歳で死ぬまでにはなお,四,五十年,一生の半分をその家にとじこもって暮らしたようです。しかし,仕事の激しさは相変わらずなのです。
その生活の間に,彼女の健康はすこしずつ回復して来ました。危険な発作の頻度もだんだん減って来て,しまいに全くとまりました。かつて37歳のころ,健康の悪化したときには遺言まで書いた彼女も,もうそんな心配がなくなりました。
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