患者とともに
患者の不安と恐怖
小林 富美栄
1
1ウェイン大学
pp.62-63
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913559
- 有料閲覧
- 文献概要
患者のほとんど共通している問題は「不安」および「恐怖」という情緒的反応である。「恐怖」は,個人が外界から危険を知覚することにより起ってくるものという意味があり,「不安」は「恐怖」と質的にはっきり区別できないが“これ”といって環境の中ではっきりよってくるところを描き出せないものと一応区別した使われ方をする。しかし,どちらにも共通なことはこれらの感情は「どうにもならない」という状態において個人がもつようになるものである。すなわち,個人が,ある状態に適応できなくなる過程である。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.