Medical Topics
呉越同舟,他
Q
pp.90-91
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913087
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炎症とかアレルギーの症状を,物質面から裏づけようという試みは古くからあった。自律神経系の研究の発展によって,生体の調節機構の一つである神経性調節も,実は,神経のつぎ目では,体液性の因子が関与していることが明らかになってきた。これが,化学伝達物質である。本来のホルモンに似ているので,局所ホルモンと呼ぶこともある。
ところで,炎症などの異常反応にも,体液性の因子が関与しているらしいことは,1900年代から1920年代にかけて,くり返し報告されていた。当時,主犯と目されていたのは,histamineであり,Lewisらは,遠慮してH物質と呼んだ。異常反応の際に,histamine様物質が活躍していることは確からしいが,その後,抗histamine剤の出現によって,かえって,histamineが関与しないものがあることが明らかになった。
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