Nursing Study
重篤なる外傷に対する低体温法応用による看護の実例/講評 本誌看護研究委員会—紙面発表としてのまとめ方を
小野 芳枝
pp.82-85
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912813
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はじめに
最近の交通量は著しいものであり,車の数は日一日と増え,それに比例して交通事故はますます増加をたどり都心によらず地方でも毎日のように交通事故による死傷者が新聞紙上をにぎわしています。私の勤務する結核療養所にも従来ならば外傷患者は見当たりませんでしたがここ2〜3年,車の増加とともに,およそ結核と無関係な交通事故における外傷患者がときどき入院して来るようになりました。私たちは主として胸部外科の術後患者を取扱っているため,同じ外科の看護婦とは申せ外傷などは全く皆無といってもよいぐらいに取扱った経験のないものが多いわけですが,外科看護法を活用し外科医の指導により何人かの患者を看護し,全治退院させ,感謝されました。これから発表させていただくのは,外科看護婦として過去に経験のない,最も重傷と思われる外傷患者の看護経過で,特に体表面冷却による低体温法を施行し,当然ダメであろうと絶望視されていた患者を奇跡的に救助いたしましたので,その看護経過と容態観察を発表させていただきます。
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